チャリンコ取られた。

通勤時、自宅から最寄の駅まではたまに愛車(チャリンコ)で出かける。
先週の金曜、いや、その前の日の晩、私は固くゆでた卵のような、難解な問題に直面していた。
その問題が何かであることは、どうでもよいのだが、結果として私は寝不足気味で、起床時間が若干遅れた。
つまり、エマージェンシーだ。
やばい、脳内で警告音が鳴り響く、私はマンションの階段を駆け下り、迷わず自分の愛車を見つけ出し、愛車にキーを挿し、またがり、エンジンをかけようとして、エンジンがないので漕ぎ出した。
駅に着き、駐輪場が一杯だったので、駐輪場の入り口に停めて仕事場へ向かった。
この日の仕事は、固くゆでた卵のような、難解な仕事が私を待ち受けており、苦虫を噛み潰したような顔で私は作業に当たらざるを得なかった。
そんな、長く、苦しい仕事が終わり、帰途に着いたのは24時を過ぎており、終電も出た後であった。
朝まで居酒屋で過ごす元気もないし、ホテルに泊まるのもイヤだ。
仕方がない、都内某所でタクシーを拾った私は7千円を投入して自宅ではなく、自宅最寄の駅まで戻ってきた。
無論、そこからは愛車で帰宅するつもりであった。
しかし、ない、愛車が、、、ない。。。私の、、、


疲労と愛車が見つからない脱力感の中、私はどうせなら、自宅までタクシーで行けばよかった、と思いつつ、歩いて自宅へ戻った。



そして、今日、日曜日である。
私の脳内でようやくひとつの結論が出た。
「もしかして、撤去された?」
私は、恐る恐る、この私がである、おそるおそる、現場(駅前の駐輪したと思しき場所)へ向かい、入念にフィールドを確認した。
(ちなみに土曜日はふて腐れて駅にも寄り付かなかった)
そこには、信じられない紙切れが地面へ張ってあった。


お知らせ(NOTICE)
移動日:11月4日
台数:自転車1台
この付近の放置自転車等は移動しました。
利用者等は、下記の保管場所でお引き取りください。
移動料として1500円を納付していただきます。
移動後2ヶ月経過しても引き取りのない自転車等は処分いたします。
連絡先:ほにゃららなんとか
私は、怒りに震える手で、記念にその紙切れを、雨で濡れてはいたが、地面からはがして自転車保管場所へ向かった。
電車を2本乗り継ぎ、最後にタクシーまで使って着いた、隣の区のヘンピな場所に自転車保管場所はあった。
そりゃぁ、こんな遠くに運んだら移動料もかかるわな。
保管場所のオヤジは愛想良い顔で、何日にどこの駅で撤去されたかを俺から聞きだし、1500円をせしめ、住所氏名を書かせた後に、チャリ保管場所へ案内してくれた。
ざらしの土の上に、愛車はあった。
言いたいことは山ほどあったが、まぁ、いいや、早く俺の愛車を返せ!と思い、この際目をつぶって文句は言わず帰ることにした。
ともかく、雨が降り止まぬ、帰り道もわからない最悪のコンディションで、自転車は俺の手元に戻ってきた。
保管場所のオヤジに帰り道を聞くと、ここから5キロほどだ、という。
しかも、途中からは上り坂だ。
コンチクショウ。ふざけるな。
愛車を漕ぎ、自宅へ戻ると、既に日が沈んだ後であった。


駐輪場は大切だ。と、改めて考えさせられる。
何せ、取り戻すまでの時間的、金銭的な出費がもったいない。
でも、駐輪場で毎日150円取るのはなんとかならんかな。
毎月20日利用したとして、3千円は微妙にもったいないもんなぁ。
保険代?あぁ、そう考えればいいのか。
しかし、言わせてくれ。
勝手に持っていくな!くやしー。