見える世界と考慮する範囲

正比例とか反比例というのは小学校のときに習ったんだと思う。
その当時は正比例=原点から始まる直線で、反比例=原点を通らない曲線だと教わっていて、それが全てだと思っていた。
(縦軸とか横軸とかは0から始まる正の数のみの世界だった)
やがて、中学校で負の数という新しい概念を習った。
また、正比例とか反比例とか出てきやがった。
そんなの知ってるぜ、と思っていたのだけれど、グラフを見て驚くことになる。
あれ?
え?左(第二象限)や下(第四象限)や左下(第三象限)に余計なものがついてるぞ?
このとき初めて自分の知っていた(つもりだった)正比例や反比例は第一象限の中のみだったことを知る。
e_c_e_t、齢13にして、グラフの広さ(と、自らの世界の狭さ)を認識するに至る。


思い出話は程々に切り上げて、ここで大切だと思うのは、
「負の数」という一つの概念を入れただけ
なのに
「世界が4倍」に広がった。
ということである。
一つ概念を追加すると見える世界が何倍にも広がる(だから考慮する/しないといけない幅が広くなる)
というのはキモに命じておかないといけない。

  • プログラム言語を(役に立たないと思ったとしても)一つでも多く知っている人、
  • OSが(あなたがUnixは役に立たないと思ったとしても)一つでも多く使える人、
  • データベースが(あなたが一生使わないと思っていたとしても)一つでも多く触ったことがある人
  • ネットワークの知識が(あなたがもうモデムやHDLC手順なんて無駄だと思っていたとしても)一つでも多く触ったことがある人

という人はあなたが見えている世界よりも、見えている範囲が数倍広い。(断言してもいい)
だから、勉強することは尊いし、世界を知りたいという欲求を持つことはイイこと。なのだと思う。


「年に一つの言語を覚えよう」(というのは達人プログラマーだったかな)とか、
lispはそれをモノにした時の素晴らしい悟り体験のために学びましょう、とか、
実に的を得てるんだろうな。先人の言うことは。