リサ・ランドール異次元は存在する (単行本) [書評]少し違和感を感じ

NHKのBSでやった番組を書籍化したもの、らしい。
ときどき、BSで再放送されているのは知っているのだが、地上波ではやっていないので(見られない)
千円払う価値は、あるのかな。と思いながら購入。
リサ・ランドールさんと若田さんとの対話形式で書かれているが、気になる点も散見される。
ランドールが、若田さんに
「たとえ、あなたがスペースシャトルで宇宙のどこまで言っても5次元世界に出ることはできません」
という言葉の注釈として
「2000年に若田さんが登場した(中略)シャトルでも5次元の世界には出られないという」
などの余計な説明が勘違いさんを呼ぶんじゃないか、と、心配になった。
というよりも、若田さんは要らないよ。だって全然関係ないんだもの。


ただ、リサ・ランドールの顔を表情を見られる本は貴重かもしれない。
彼女の研究にも触れられているが、部分的であり、
「成功したければ質問しなさい」と、言われて育った、とか、世界中からファンレターが届くとか。
彼女のパーソナリティについての情報があるのでコレを見てランドールに萌える人が出るかもしれない。
どうやら、一般書も一緒に邦訳されたらしいので、買ってみようかな。と、思った。
wikipediaを見てみるとテニュア(教授としての終身雇用のような制度)を、プリンストン、MIT、ハーバードから取っているらしい。。
その全てが女性として初だとか。そういう部分だけを見るとニュースになりそうだから、そういう部分がクローズアップされたのかも。
だけど、だけど、少し、この本に追加情報をつけると
Lisa Randall, Raman Sundrumの両名で出したこの論文が、この人を有名にした(はず)
http://arxiv.org/abs/hep-ph/9905221
A Large Mass Hierarchy from a Small Extra Dimension


この論文を物凄く要約すると、Hierarchy Problemを説明するための新しいモデルを考えましたよ。
4つの力のうち、重力だけが、えらい弱いのを(これをHierachy Problemという)巧いこと説明するには、
自分たちのモデルだと3次元ブレーン(膜)と、一つ次元を追加するだけでなんとかなったよ。と。
(昔、ドクターの先輩に聞いた話だと、こういう話、だったのだと思う)


と、ここまで書いて気がついた。
そうか、数式を使わない一般書を書いたから、サンドラムとメディアの取り上げられ方が違うのか。