ITはIndustryか、Scienceか

1位ゲイツ氏、2位ジョブズ氏――IT業界に影響を及ぼした人物ランキング
ここにトップ10が出ているんだが、ビル・ジョイもネイサン・ミアボルトも、RMSも、カトラー先生もファウラーも、GoFも入っていない。
ベル研究所なんて、存在すら忘れられてるんじゃないかと、いう感じだが。
よくよく見るとLinus以外は雇用者であることがわかる。
これは、Industryと、Scienceの違いがわかる人が投票した内容なのだろうな。
で、思い出したのがこの文章。
どうせ理系出身者なんていらねえんだよ。
この文章の要旨はSIerという世界は、使う人と使われる人に分かれてて、求められる能力ってのは、いかに効率よく人を使えるか、
コミュニケーションスキルという名目で手下を手なづけられるか、、世の中で必要なのはそういう能力なのですよ。と。
いい線をついている。真実だろう。
そう、ここにひとつの現実が見え隠れする。
この辺がScienceとIndustryの違いがわかる、わからない、の差なんだと思う。
上記のトップ10の9人の雇用者と1人の優しい独裁者はみな人を上手に使うのだろう。
Joel on Software(もしかしたらPaul Grahamだったかもしれない)に、「過去数十年で巨額の富を得たのはみなプログラマーだった」みたいな文章があったと思うが
まぁ、富を得るプログラマーってのは、プログラマーをプログラムできる能力を持ってたりするもんなんだろうね。
単純にソースしかいじれないプログラマ(それだけでも十分凄いし、十分楽しいんだが)だとScienceとIndustryの境目は見えたり見えなかったりだが、
ソース以外にもプログラマも見れるプログラマは、IndustryとScienceの境目って言うのが(もしかしたらEconomicsなんてものも)よく見えてるんだろう。
自分自身を振り返ってみると、まぁ両者の間を行ったりきたり、いや、ソースしかいじれないプログラマの時間のほうが長いから、あまりえらそうなことはいえないんだが。


ついでにこういう文章なんかも見つけて、まぁ、部分的に同意してみたり
ニッポンIT業界絶望論
客先の現場で張り付いてる一介のプログラマ(SEって表現は嫌いなのでプログラマ)が現場の人間にしかわからないような渋いハックを繰り出して
「動いて当たり前のシステムを当然のように動かし続ける」
ってのもまぁそう悪いもんじゃないですよ、と。思ったりする。
Industryがわかんなくても、人を上手に使えなくても、楽しいことはあるよ。と。
まぁ、そんなことやってるうちは、使われてる身分だから、お金持ちにはなれないんだろうけど。
強がってみたいんだが確かにイノベーションは、ないよな。
ちょっと考えさせられた。
しかし、こういう文章に反応してしまう自分がちょっと悔しい。