アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝

読了。ウォズの魔法使いとして知られる、スティーブ・ウォズニアックの自伝。創業者として、エンジニアとして生きる伝説の人。その生い立ちと、父親との関係を、バツ2の私生活を、会社を離れる契機となる飛行機事故を、そして名作Apple2を思い入れたっぷりに、語る。アンディー・ハーツフェルドが、Revolution in the Valleyで、マッキントッシュ以後を書いたが、ハーツフェルドはApple2を使ってプログラミングを学びAppleへ入社したのだと言う。そう言う意味で本書は、Apple創業後、マッキントッシュまで(Lisaの話題も少しだけ触れられている)、を記した書と言える。驚くべきことに、本書でウォズニアックは大学を中退した訳ではないし、Appleを退社した訳でもない、と語る。大学は、後に偽名で通って卒業したし(そんなの誰も分かんないじゃないか!)、形式的にはAppleは退職はしていない、今でも最低賃金をもらっている、とのこと。ジョブズも年間報酬が1ドルと言われてるから、ジョブズ以上に給料を多分もらっているのかも知れない。最終章で、ipodを褒めているのが印象的だった。扱っているプログラミングも、ROMに焼き付ける方法や、DTMF(電話のピポパ音)の説明から、NTSC方式の画面への出力方法(テレビのブラウン管への信号を出力する方法)など、もう、これでもか、というぐらいハードウェア寄りの話ばかりで、そういうのが好きな人にはたまらない内容だと思う。