ちょっと前に読んだ本「就活のバカヤロー」

「就活のバカヤロー」
大して興味も無かったんだが、就職活動なんて過去の話だしね、キョービの大学生が就職活動を縮めて「シューカツ」なんて呼ぶのもなんだか隔世の感がある。
とか、思ってたんだけど、も、ちょっと前に新幹線乗るときに、なんか活字読みたいなと思ってたら品川駅で目について(偉そうに言っておきながら)読みたくなって読んでみた、ら、なかなか面白かった。自分が就職活動する前にこういう本を読んでいればもう少し世間を見る目も代わってたかもしれない。あの頃は嫌々採用担当として年端もいかん若造を忙しい時間の合間を縫ってわざわざ話を聞いてあげる優しい「面接官さま」を完全に誤解してたのだから。
本書は「作られた茶番劇としての」就職活動について上手に説明している。学生だけではなく、企業の採用担当、そしてリクルートなどの就職情報会社まで触れていてもの凄く、範囲が広い、まさに浅く広くという感じだ。しかし、本書を見れば「シューカツ」の主要なプレーヤーについての概観を押さえられるだろう、そう言う本だ。
「自己分析」が学生の不安を煽っている点を指摘しているのは好感が持てた。あれで迷路に入る人は多いと思う。個人的にはメンタツに触れてほしかったが。(自分が見た年のはご丁寧に「毎年内容は変えてるんだから、先輩のを借りるな、古い情報だと失敗するぞ」とキッチリ脅し文句が入っていたのが印象的、結局自分は研究室に落ちてたお古をチラ見しました)あぁいう「てめぇの人生なんだから、てめぇで考えろ、俺は知らん」と優しい言葉で突き放す本は今の時代では、やっぱり意味があると思うのですが。答えを考える前に、webで探す世代には絶対に人気は出ないと思うけど。


あ、と、ここまで書いてきて気づいた。そうか、この本も広く浅く問題点をつついてるだけで、だからこうしようという話は具体性に欠く。各章にまとめっぽいものがあるが、極論のオンパレードで、その辺は各自考えてください、というニュアンスがあり、そう言うところでメンタツを思い出したのかも知れない。


読んだ後気がついたんだけど、先週と今週のモーニングの『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』はこの本の説明みたいな内容でした(この本の中でも三田紀房の銀のアンカーの引用や紹介があるので別にパクりという感じはしないのですが)