大変難しい制御に立ち向かう東電がんばれ。

いろいろと危機感を煽られて(特に報道のいい加減さにはイラっとするときもある)思う点がある。
e_c_e_tもいまの原発報道は怖い。ただ、事実を受け止めることに集中したいと考えている。自分自身への反省を込めてメモを残しておく。


まずは政府発表を一字一句受け止める能力を持たないといけない。憶測で話をしてはいけない。大本営発表だと揶揄する前にまず自分の頭で考えよう。
政府発表が推量含みな場合は「彼らもわからなりに知恵を絞って発言している」だ。そこは個々人で受け止めよう。日本人は日本語の達人なのだからどれが推量表現かぐらいはわかるだろう。相手が断定口調で話してくれないから俺じゃわかんない、とか、そういう子供のような態度はとってはいけない。


おそらくは、現場でも分からないことが多々あるのだろう。だからといってパニックを起こしてはいけない。
現場は「最優先課題の『燃料棒を露出させること無く冷却』すること」に注力している。
測定もしていない要素を(無知な質問者)から質問されて答えられるわけがない。
そういう質問が来た場合はエンジニアリングなのだから基本は「そんなもん測定してみないと分からない」だ。
些末なことをイチイチ測定して答えるための原稿作ってる時間があれば冷却作業に集中するほうが合理的だ。
(「さっきの質問に答えてない(だから隠蔽体質だ)」と駄々をこねる人間を報道しないで欲しい)
出てきた値を疑いの目で見るのは科学教育の基本だ。出てくる情報に「測定器が壊れている可能性も否定出来ない」とあればそれは理系教育を受けたものの言葉だ。こういう言葉が出てくるあいだは疑いの目で現場を視ている人間がいるということだ。情報の質に安心していいと思う。シビアなら「シビアなアクシデント」だと伝わる状況を作るほうがいい。


基本的に、福嶋第一原発核分裂は止まっている。まずこの事実を正しく受け止めないといけない。
問題はすぐに止まれないことだ。つまり、冷めるのに時間がかかるということらしい。
緊急停止後の熱を取るのに、水が入らない、冷却機能を失う、などの原因をe_c_e_tは、水を入れてもすぐに蒸発しちゃって内部の圧力が高すぎて水を送り込めないのではと思っていた。が、プロは見解が違う。内部は高圧だからそう簡単に気化しないんだとか。
早野教授のまとめ
テレビに出ている学者(これ自身はあまり問題視していないが、セットで引っ掛け問題を出して不安を煽る鬱陶しいキャスターがいる番組)を見るよりこちらの方がいい。


この手のプレスリリースはIT系のシステムが止まって業務影響が出た場合の公表と似ている。扱うものが違うとはいえ、「説明する相手が『わかるオトナ』なら事実を伝えるし、相手が『自分の頭で考えられないコドモ』ならオブラートに包んだ婉曲表現で伝えられてくる」
サイエンスやエンジニアリングと関係ないことを聞く輩がいると「こいつらに話しても伝わらないから、もっと優しい言葉で置き換えて話さないといけない」「相手はコドモだから重い事実は受け止められないかも知れない」となって、事実が見えにくくなる。これが一番危険だ。「事実を公表して欲しいですね」などと言うなら受け止められる知的バックグラウンドを持て。専門用語がわからないなら、それをニュース番組で「解説」してくれ。わからない自分を正当化するな。一次情報のクォリティを下げるようなことは厳に慎むべきだ。
今は情報の受け手としてオトナになることが求められている。キャスターが科学的素養を持っていなくとも、我々は賢く振舞おう。