緊急解説! 福島第一原発事故と放射線 (NHK出版新書 353)

著者はNHKの科学文化部で解説を担当していた、水野 倫之 , 山崎 淑行 , 藤原 淳登 の3名。
正確な情報を出す側の苦悩が描かれており、
「危機に対して『正しく怖がる』ことが大切」
何が起きているのか、何が危ないのか、それが自分の頭でわかっていても
「危機に対して『正しく怖がらせる』ための情報を伝える」
のは大変難しい。まして情報が限定的に伝えられる状況で、どこまで最悪を想定すれば良いのか判断ができない状態でパニックを起こさずに情報を伝える、これは非常に難しい。


「1号機で爆発のような事象が起きた模様」というメモとあるべきところに無くなった原子炉建屋の写真
それだけの情報でスタジオに立ち続け、喋った(その内容は本書で確認して欲しい)勇気と決断力に拍手を送りたい。その難題に直面した当事者の語る内容だから本書には意味がある。
残念ながら、本書の指摘通り、福嶋第一原発の事故は「現在進行中」だ。未だ1号機から3号機まで原子炉温度は100度を超えている。当然、近くの水は蒸発し続けるだろうし、空間中にも未だ飛散している(ペースは落ちただろうが)
参考:
http://atmc.jp/plant/atmosphere/
2次被害(牛肉とか)にどうしても目が行ってしまうが「今も怖がる」時期だ。