マネーボール(感想)

小説の方を読み終えた。
イチローマリナーズに行った頃、同じア・リーグ西地区で猛威を振るっていたアスレチックスの強さについて触れている。という話の筋は同じだが、映画と印象が違う。読んでよかった。
映画よりも、科学的な本だと思う。というよりは、科学的な手法を実践に適用する教科書のような本といえばいいだろうか。統計を使いこなすことの重要性を分かった人間を補佐に置いて、経験で能力を量る人間をクビにするなんて、なかなか出来る話じゃない。そこには知識と行動力、2つが必要だ。本書ではビリー・ビーンが行動力を、ポール・デポデスタが知識をうまく担当している姿が描かれる。映画も確かにこの二人が中心だった。


気になったので、ハッテバーグの成績を探してみた。本書で取り上げられているアスレチックス在籍時からキャリアの黄金期が始まっていることがよくわかる。
アスレチックスについては、松井秀喜が在籍したり(既に放出済)今年はついこの間、日本でイチロー率いるマリナーズの対戦役として来日していた。それぐらいにしか印象がないが、近年の成績を見ると本書で扱われていた時期ほどの勢いはないようだ。盛者必衰という感じはするが、ビリー・ビーンは未だGMとして君臨しているらしい。これだけ手の内を出されてもまだ能力を買われて、職に留まれているんだろうか。


改めて思った。野球は面白い。



4/3追記
デポデスタはその後、ドジャースGMを経て、パドレスのvice president、メッツのvice president player development and scouting(育成とスカウト担当の責任者)となった。と彼のwikipediaの項にある。彼のキャリアの中では、アスレチックス以外の球団で過ごした時間のほうが長いことも意外かも、映画ではビリー・ビーンの腰巾着のように描かれているが現実の彼は荒波に揉まれてるようだ。