夏の高校野球が終わった。

前橋育英が優勝したが、それ以上に記憶に残ったのは、花巻東の千葉君だった。
ツーストライクに追い込まれるまでは、普通に打席に立つ。
追い込まれてからは、ホームベースに覆い被さるように構え、内角に投げづらいようにする。
ストライクコースはすべてカットし、あからさまなフォアボール狙いに徹する。
相手ピッチャーが気の毒なほどにイライラしているのがよくわかった。
塁に出ると、バッターにキャッチャーの位置を教える。(わざとらしく)
イチイチ出てくるガッツポーズ。(わざとらしく)


いやぁー、あの「相手をいやがらせるスキル」はただ者じゃない。
嫌がらせの対象が、ピッチャーだけではなく、キャッチャーへ、そしてアンパイヤまでも、イラッとしたのだろう。
最終的には、審判から警告がやってきてしまった。


あのカット技術を身につけるまでにどれほどの努力を重ねてきたのだろう。
今は記憶の中には「嫌な奴」として残っているが、やがて、記憶は薄れ、出塁率8割という驚異的な結果のみが残りそう。
余計なガッツポーズや、コースを教えるとか、そういう嫌がらせをやらなければ、いったいどれほどの結果を出したのだろう。
歴史に残る記録なら、純粋にカット技術で勝負して欲しかったように思う。