素数の音楽

[書評]素数の音楽
次から次へと有名人が出てくる、ユークリッドやミンコフスキーやリーマンは相対論で出てくるので俺のような物理出身者は相対論の教科書でしかしらなかったのだが、それ以上に「素数」の世界で有名人らしい。
素数を巡る物語からスタートしてリーマン予想の歴史が語られる。俺自身が何もこの世界を知らなかったからか、ぐいぐい引きつけられる。とにかくたくさんの数学者が出てくる。数学の中心地が、パリからゲッティンゲンへ、そしてプリンストンへと移動して行ったと言われるのも頷ける進め方で書かれている。ガウスとか、フェルマーとか、そしてリーマンも、余り積極的に成果を公開していなかったという話に驚いた。そして、(つい最近まで存命だった)セルバーグまで、そういう積極席に成果を公開しない態度を取っていることにも驚いた。エルデシュみたいなのは、超少数派なのだろう。
量子コンピュータの本の次に読んだら、すいすいと頭に入ってきた。ほぼ同じか、内容としては続いている部分があり、セットで読むと楽しい。


読み終えた後に知ったのだが、翻訳の冨永さんは、ベッドルームで群論をを訳された方だった。そういえば、あれも数学の本だったな。amazonで見てみたら、翻訳されてる本が多数出てきた。ちょっと他も当たってみようか。