きゃぁぁぁぁ

起きたら昼過ぎ。
その程度では悲鳴を上げない俺もさすがに参った。


トイレが詰まった。


水が、出る。


洋式のトイレに水がたまる。


流れていかないッ!!!!!!!!ッ!?


すさまじくピンチだ。
2004年にして既に今世紀最大のピンチに遭遇したかのような錯覚にとらわれ、めまいがする。


いや、よく見ると便器いっぱいにたまっていた水かさが少し減っている。
水はゆっくり流れているんだ。


そうか、流れるか、
こうして30分ほどゆっくりと流れる水を眺めてみる。


ようやく水かさは通常水位へ戻る。
よし!、意を決して再度水を流してみる。
ひぃいぃぃぃぃぃぃィィィ(涙)
また、水がたまる。。。。


再度意を決した俺は覚悟を決めて近所のスーパーまで走った。
古来より便所のつまりを直すのはアレにきまっている。スッポンだ。


いや、うちの弟にいわせるとアレの名前はガッポンだなどと抜かしやがる、が、名前などどうでもよい。足があるとかないとかそういうのと同じぐらい名前などどうでもよいのだ。


とにかくあの、特殊な形状のゴムを求めて俺は走った。
途中いろいろな思いが頭の中をよぎったが、俺はそれでも走った。
友の疑いを晴らすために、いや、違う、便器のつまりのためだ。


近所のスーパー「いなげや」に駆け込み、血眼でスッポンを探す。
どこだ!俺の!!スッポンはぁぁぁ!!!
980円で見つけた、よく見ると形状が昔見たのと違う。
吸盤の部分がやや釣鐘状になっている。どうやら
「洋式便座仕様」
ということらしい。そうか、なるほど。
レジに並び、980円を支払い、レジ袋に入れたスッポンを握り締め家に向いて走る。
「詰まった便器が、俺を待っている!」
その思いだけが俺を、俺の脚を動かしていた。


つづく(ウソ)