書評。というか読書感想文というか。

年末年始を含めこの連休までに読んだ本。


オトナ煙草講座出有名な人の本。
年末に自由が丘でタイトルに釣られて買った。
バカバカしくて最高。とにかく満足した。


作者は言わずと知れたベル研究所の大御所。
Unixの父とC言語の父とPlan9の父と、その他多数の父。
昔から時間があれば読みたかったこの本をようやく読む時間ができた。
予想通り、いや、予想以上によい素晴らしい本。
しかし、ビギナーには向かないだろう。
この本に書いてある内容は職業プログラマが読んで役に立つ内容だと思う。
e_c_e_tは特に「1章:スタイル」と「3章:設計と実装」がお気に入り。
1章で印象的だった点は

      • かっこを使ってあいまいさを解消しよう。

 → コンパイラにとってカッコが不要な場面でも読みやすさを重視せよ

      • 明快に書こう。

 → できるだけ短い「小賢しいコード」ではなく、多少長くても読みやすい「明快なコード」を書くこと

      • 数値はマクロではなく定数として定義しよう

 → #define使うぐらいならconst使え
など。など、EffectiveC++でも読んだような?当たり前のことがコンパクトにまとめられてある。
コメントに対する指針が白眉で、

      • 当たり前のことはイチイチ書くな。
      • 悪いコードにコメントをつけるな、書き直せ。

などは、大いに勉強になった。(つまり、思いあたるコード/コメントを書いたことがある)
3章では、同じプログラムを異なる言語で実装してゆく。
使う言語はC,Java,C++,Perl,AWK
それぞれの言語で実装されたプログラムを用いてステップ数と速度の検証を行っている。
最終的にステップ数の最も多いCが最も早いという結果になるのだが、
だからCが一番よいという決断は下していないところがポイントだろう。
これは珍しい資料だと思う。作者自身が指摘しているように、こういう機会がないとLLで書いたっきり普通は比較などしないだろう。
(e_c_e_tはAWK好きなのでPerlよりも遅いことに少し驚きが。)
ただし、情報が古いためこれが「今の言語(コンパイラ)の持つスペック」ではないだろう。
動作速度についてはあくまで参考程度としたい。時間があれば自分で測ってみたいな。


エマニュエル・ダーマン(森谷 博之 監訳/船見 侑生/長坂 陽子訳)
年末に川崎で買って以来、しばらく家の片隅に転がっていた本。
たまたま、頁を開くと!止まらなくなった。
なんか、予想してたより遥かに面白いぞ!この本
というわけで、昨日読み始めて一気に読みきってしまった。
ダーマンという人は、南アフリカで16歳で大学に入り、20歳でコロンビア大学大学院へ留学。
そこからの物理学者としてのキャリアが凄い。
ノーベル賞クラスの物理学者に囲まれてコロンビア大学で7年かけてPh.D.を取得。
ちなみに、この7年という期間は、かの国では平均的な値らしい。
もっとも、大半はドロップアウトしていなくなる世界だから平均というのは「取得できた人の中での平均値」だ。
その後ポスドクとして(ヨメと子供をつくり、別居して)世界各地の大学を転々とした後に、物理屋をあきらめることになる。
その背景事情が興味深いので以下に引用する。(なんだかどこかで聞いたような話だぞ?)


第3章より引用
ソ連によるスプートニク号打ち上げ成功のショック以降の米国では科学分野における競争をモラル上の戦争と同一視する考えが一般化してしまったために、
おびただしい人数の若き科学者たち(彼らは今では終身在職件を得ている)が全ての教職員を独占すると言う状況を作り出してしまった。
彼らは30年は引退しないであろう。
学部があれば学生が必要になるので、向学心に燃える物理学研究者たちはPh.D.取得の入り口に流入し続けた。
しかし、彼らが出口につく頃には、行き場が無くなっていた。短期的にその穴を埋めたのがポスドク職というポジションであった。
ポスドク職は約2年間であり、収入はきわめてわずかであった。
その後、医学部受験(合格!しかし、行かない!)
仏教風カルトにハマり(?ちょっとこれは違うかもしれない、本人も「懐疑的」と単語を意識して使っている、誰かを頼りたかったんだろうな)
などの紆余曲折をポスドク中に経験し、物理屋をあきらめた彼はAT&Tの「あの」ベル研究所に入る。
どうやらベル研究所と言う場所は居心地のよい人と悪い人が居るらしい。
彼は後者だったようだ。忌憚のない、ベル研究所の「居心地の悪さ」について書かれている。
そこで、yaccやlexを使って「俺言語」を作った後、彼はようやくウォール街の世界へ入る。
ここまでに200ページ。(全423ページ)
経済の本なのに物理屋Unix屋しか喜ばせないぞ?このままじゃ?
経済学の本だと思ってこの本を読み始めた人はここまでが長ったらしく感じると思う。
(この本は物理コーナーに置くべきだと思う)
内容も、ヤン−ミルズのゲージ場という単語からコンパイラコンパイラの説明まで(yacc)本当に多岐にわたる。
豪華絢爛な本だと思う。しかし、本題の経済ネタはこれから!なのである。


で、、感想文書いてるほうが疲れてきてしまったので今日はこれまで!残りは後日!

  • Mr.&Mrs.Smith!

今日見に行った。これも感想は後日。もう疲れた。寝る。