書評:電話はなぜつながるのか

「なぜ」ナントカのこのシリーズの本を初めて買ってみた。
電話はなぜつながるのか
3部構成になっており
・NTT電話編(加入者電話網:6割)
IP電話編(ひかり電話網:3割)
・携帯電話編(第三世代移動体通信網:1割)
と、分量が異なっている
つまり、最初のNTT電話の話題が異常なまでに詳しい。
歴史的な話題から、電流の流れ方などの高校物理の話題を絡め、とにかく至れり尽くせりの感がある。加入者網だけ。
まぁ、しかし、初等物理の話題は別としても、リング型の網構成や共通線信号のプロトコルフォーマットなど、
この本に書いてある情報はそう簡単に入手できないものばかりである。
IP電話や、携帯電話の情報については、(加入者網の情報に比べれば)webや本屋で比較的容易に手に入るのだから
そういう意味で本書は非常に貴重だと思う(し、だからこそ、この分量配分で正解だろう)


個人的にはDTMFの周波数の表なんか入れるスペースなんか削ってしまってSIP台形の絵を入れても良いのでは、と思った。
せっかく加入者網でも呼制御と音声信号とを別に扱う、と、頑張って説明した直後にSIPの説明に入るのだから
呼制御=SIP、音声情報=RTPという感じの絵は上手にかけたのでは、と思ってしまう。