SIの世界

本当に、若くて何も知らないころ、情報源はgoogle(とかの検索エンジン、面倒なのでgoogle)と、本屋から手に入る情報が全てとなる。
そこで手に入るものは、オープンソースなものが大半だ。ライセンスの差が多少あれども。
間違えてもプロプライエタリな情報は手に入らない。
もうストールマン先生の術中にどっぷりというか、ある世界ではプロプライエタリは、敵だ。と教えられる。
こういう人がSIの世界に入ると不幸が待っている。
SIの世界で触るものはいくつかは、間違いなくプロプライエタリだ。SIとはそういう世界だ。
それで商売してるんだから競争相手が見てる中でオープンにする理由が無い。
もっと便利なフリーな実装があることを知ってたとして、そういうのを使おうよ、と、思っても、
そこにはそれなりの高さのハードルがあることが多い。
なぜなら、そこに用意されているドキュメント類がプロプライエタリなソフトを使うことを前提としてあったりして
オープンソースな実装を元に同等レベルのドキュメントを用意するのが大変面倒だからだ。
オープンソースなライブラリやツールを使える能力と、ドキュメントを用意する能力が別であることに注意)
そういう感じで、SI業界に入る前にオープンソースにかぶれすぎてたりすると、現場では「これはあれでできるよ!」というが、ドキュメントは用意できない、扱いづらい迷惑な奴になる。
つまり、そういうのは即戦力ではない。
(若いうちは、「動く」と、「動かし続ける」の間にそれなりのドキュメントが必要になることがわからない)


実際のSI屋の現実というのは、お客様のためのシステムを作るのが仕事になるから、当然、
お客様の業務にマッチしたシステムを作らなければならない。
そうなると、自然と、お客様の業務を深く知ることが必要になり、、当然のことながら守秘義務が生じるので
そういう情報がインターネットなど、見やすいところに出てくることは、あまり、ない。
まれに発行部数の少ない業界紙とにチラッと載る事はあるだろうけれど。まぁ断片的だ。
いずれにせよ、情報を得るにはお客様のところに足しげく通って、業務の仕組みをよく聞き出さないといけない。
新人でいきなりそういうことができれば、即戦力だといわれる。(そんな新人、お目にしたことは無いんだが)
そうやって、入手できる情報に比べれば、googleやら本屋で入手できるレベルの情報というのは、実はさして、重要ではない。
逆説的ではあるが、そんな情報収集は事務所で留守番してる新人でもできる程度の作業だ。し、前述のとおりドキュメントなどの(平たく言えばサポート面での)不安がある。
だから、不当に低く見られてる感じはする、が、仕事の仕組みがそうなっていたら変えようが無かったりする。
SIの世界ではこういう風に見られる。
それが「業務系」と呼ばれたりする。そこでは、コミュニケーションスキルやら、文書作成能力がプログラム作成能力よりも重要視されることすらある(ある人にとっては不思議な)世界だ。
自分は、いつのころからか、不思議とは思わない、これが当たり前の世界だと思うようになった。
というのを、今日、新人と話してて気づきました。慣れは恐ろしい、と、思う今日この頃。