内田樹センセのインタビューに惚れた(今週のR25)

面白かった。この人の本を読みたくなった。特にシビれたのはこのくだり。


自分は同学齢集団のなかでどのぐらいのランクなのかが気になってしようがない。

だから、外形的、数値的に示された自分の社会的評価ばかり気に病む。でもね、横にいる他人なんか見てもしょうがないんですよ。本当に見るべきなのは、自分自身でしょう。自分自身がきちんと前に進んでいるのかどうか、それだけでしょう。

ここから

「見える形で示さなきゃいけないのは会社でも同じでしょ。“これだけ資本を投下したらこれだけ儲かる”という証拠を示さないと事業計画も相手にされない。でも、みんなデータや数値を並べるのは、失敗したときの言い訳を用意しているだけなんです。たとえばどの企業も人事戦略ががたがたですけれど、それは面接でどの人が優秀か有用かが判断できなくなっているからなんですよ。人間を見る目がないから、しかたなく学歴とかTOEICのスコアとか、外形的にわかるものを基準にする。そうしたらどんなバカを採用しても責任を回避できる。もう、みんなそこなんですよ。数値数値って言っているやつらは、結局自分の判断の失敗を問われたときに、そこに違法性がなかったと言い逃れるための材料を必死で探しているんです。後ろ向きすぎますよ」
という風に展開される。いかにも学者さんの言いそうなことだ、と、言うのは簡単だけど、否定はできない。なるほど、本質をついているかもしれない。
1点だけ惜しいな、と思うのは、本来数字を並べる理由は「効果測定のため」というのは触れてほしいと思った。
キッチリ数値化できないことに対して、数字が言い訳として使われることの弊害はまぁその通り。