怖いのはパンデミックか、それとも情報統制か

ある「都合の悪い事実」がある場合、まぁ、「王様が裸だった」場合に周囲の人の目を気にして
「みんな気づいてるんだろうけど偉い人が何か言うまで黙ってよう。当然気づいてないフリをしよう」
という態度を取るか
「これはヤバい、ちゃんとお知らせしないと『王様は裸だよ』あれ?聞こえてないのかな?(もっとでかい声で)『王様は裸だー』(そしてKYと言われる)」
と声を大にして危機を伝えるか
普通に会社で仕事をしててもよく考える。言うべきか、黙っとくべきか。現実は童話に出てくる子供ほど単純ではない。
自分の周りだと、西日本出身者は「後者(黙ってられない)」東日本出身者は「前者(上司の指示を仰ぐ)」傾向がある。どちらが悪いとも良いとも言えないし、人はそれぞれ両方の性質を併せ持っていて、その時々で判断も変わるんだろうが。近くだけの傾向で、サンプル数も少ないから地域的な気質とは別だと思っていたが。
今回のインフルエンザで「渡航者であろうが無かろうが、『ここに怪しいのがいるぞ』と声にした神戸」と、(厚労省のこだわった「海外渡航者の水際検疫の効果」に配慮したのか)海外渡航者かつ感染者が出てくるまで待つ首都圏の反応を見ると、なんとなく、地域的な気質も危機管理時に差が出てくるのかな、と思った。
お上の描いたシナリオに沿って行動をしようとするか、お上の書いたシナリオがなんであろうが「事実はこうだ」という姿勢を取るか。狙って情報をコントロールし、パニックを抑えたい側からすれば、KYな奴には「余計なことを言うな」という気持ちにもなるんだろうが、同じ事実でも上から見える事実と、下から見える事実は違うんじゃなかろうか、という気さえする。危機管理の難しさというのは案外こういうことなのかもしれない。


追記:
こういう記事を見ると、実は5月からじゃなく、もっと前から日本上陸してたのかも、と、すら感じる。よくよく考えてみれば分解能が高いところほど、検出率が高くなりそうなもんで、発生していたのに最後まで黙ってた国というのもあるんだろうな。