7割は課長にさえなれません (PHP新書)

今読むとなんだかブルーな気持ちになる。少し政治的な主張が入ってきた。本書は現在の正社員の特権を上手に説明している。これは就職活動中の学生とかも読んだ方が良いのかも。自分にとっては、自分のおかれた環境を見つめ直すいい機会になったかも知れない。正社員と非正規雇用の壁を取って人材の流動化を提唱しているが、年長者を敬うことが美徳とされる日本でうまく機能させるのが難しい点も指摘してある(実際、年長者に丁寧に接するのは人として当然だと思うが、職場での能力とは切り離して考えられるかな?遠慮なく年長者を叱れる若い管理職なんてそうはいないもんだ、ああそうか管理職以外のキャリアについても言及してたな)
とはいえ、完全実力制による雇用形態というのに少し夢をみたいとも思った。自分の職場の話になるが明らかに若手が足りていない。失われた10年の間に雇用を絞りすぎて、少なくとももう自分の下の世代に期待はできない。自分よりも下の世代で実力を付けているのは明らかに派遣社員で、正規雇用のほうはどうもサッパリだ。それは現場を回った数が違うからなんだろうが、実力制になった瞬間に使える部下が増える、というのなら素直に喜びたい(そしてガチでそういう若き実力者たちと同じ土俵で渡り合いたいとも思う)団塊Jr世代が使える部下を連れて管理職になるにはこういうストーリーしかないんじゃなかろうか。悲観しすぎかな?