私は真犯人を知っている―未解決事件30 (文春文庫)

文藝春秋に発表された内容をまとめた内容らしい。
菅谷さんの冤罪事件や悪魔の詩事件など、タイトルのとおり「知っている」という内容から、「わからない」という内容も含まれている。
この本を読んでも操作は進展していない、というのが結論なのだが。蟹江町の事件や、島根の女子大生殺害事件を取り上げているのは事件を風化させない意味でも、良いと思った。
厚労省の村木さん自身の「私は泣かない、屈さない」が収録されていて、大変興味深く読んだ。佐藤優国家の罠にやはり似ているなと、感じる部分がある。「取り調べは玄人と素人がリングに上がっているようなもの、圧倒的に不利」という言葉は重い。この手の話にはかならず出てくる弘中弁護士がいる点も興味深い。