富士山大噴火! 不気味な5つの兆候

本屋でちらっと立ち読みして、買ってみた。
で、帰って読んでみて、ちょっと評価が悩ましい。今回の東北の地震貞観地震との類似性があるというのは納得ができる。全開の貞観地震の後は富士山が噴火したのだそうだ。地震予知は難しいが、噴火は予測が可能、というのが本書の趣旨、だが、著者の主張に客観性を欠くように見える(経験則を語っている)部分があり、評価が悩ましい。一般向けの本だから説明を端折っているのか、それとも、本当に勘と経験で語っているのか。後者だと困っちゃうんですが。


ちなみに、
本書はこういう趣旨が書かれており、

富士山噴火を2011年プラスマイナス4年と予想(2011年出版なのに?)
東海地震よりも富士山噴火が先に起こる可能性がある

この前に2010年に書いた本の紹介を見ると

東海沖2011年プラスマイナス4年(M7.7)、
富士山噴火2013年プラスマイナス4年他。

と、主張が変わっている点にも注目か。これを変節と呼ぶか、状況が変わったから現状に即した再分析と見るかは読み手に委ねられている。


とはいえ、実際に発生した場合を想定し、どういう現象が起こりうるのか、という予測が書いてあり、これは大変勉強になった。例えば以下のようなことが書いてある。
ー首都圏まで火山灰が来る可能性がある、火山灰は吸い込むと健康被害を引き起こす可能性があるため、濡れタオルなどで顔を覆う必要あり、また、デマが多く出る可能性があるため、情報には注意することー
当たり前のことを言っているようだが、一度想定をしてみる価値はある。3.11と同じだと思って帰宅難民となって歩いて帰ってる途中に火山灰吸い込んで呼吸困難とか、嫌だしね。実際に起こるかどうかは誰にも予測できないと思うが、まぁ、防災意識を持つキッカケ程度にはなったように思う。本当に噴火したら、どう困るか、ぐらいは知っておきたいもんな。
原発は安全だから想定すらしなかったんだから。