書評

パリの国連で夢を食う。

パリの国連で夢を食う。 本屋で、何気なく手にとって買った本。 読み始めたら、夢中になってしまって一気に読みきってしまった。なにこれ、面白い。。 本書は著者が国連の組織で働くまで、と、実際に働き始めてからで大きくトーンが変わる。 「働く」という…

空白の五マイル

この本、以前から知っていたのだけれど、先日、冒険歌手を読んで(なんと、本書も面白いが、後書と書評も負けず劣らず面白いという、一粒で3度以上おいしい凄まじい本)読みたくなってしまった。 若い頃よりも、後で行った冒険譚の方が興味深かった。慎重さ…

インテル 世界で最も重要な会社の産業史

大変示唆に富む本であった。これは、間違いなく買って正解だった本。 インテル前史とも言える、フェアチャイルドの時代の話から始まって、2人の創業者(ノイスとムーア)と1人の社員(グローブ)で始まったインテルの創業、全てが興味深い話であった。 賢…

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方

It's your Ship Management Techniques アメリカのアマゾンでは大人気。 読んで、金言の数々で胸を打たれまくった。すごいね。 目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しない限り…

量子コンピューターが本当にすごい (PHP新書)

ついに出た、D-wave社の量子コンピュータの解説本だと思って買うと面食らうことになる。まずはバベッジの計算機から入り、量子論の説明までやるからだ。いろいろとつまみぐいと寄り道しすぎな印象だが、その余談の方が面白い。ただ、計算機理論が知りたくて…

日本の路地を旅する (文春文庫)

随分前に途中まで読んでいたのだが、本の山から出てきて、読了。 この本が良いのは、歴史的な側面と地理的な理由(城下町に多い理由)をちゃんと説明していることだと思う。歴史の授業で教えても遜色の無いものもあると思うし、それだけの価値はあると思うが…

球童 伊良部秀輝伝 田崎健太 著

やっと、読み終えた。一気には読めなかった。著者はこのとき、最期のspaの記事を書いた人だと知って、本屋を何件か巡って買ったはずなのに、なぜか、しばらく読む気にはなれなかった。ふと、思い出したかのように読み始め、そして一気に読み切ってしまった。…

ウォール街の物理学者

しばらく積ん読だったのだが、最近部屋の整理をしていてパラパラとめくったら、止まらなくなった。凄く面白いじゃん。物理学者が統計手法を駆使して金融の世界に入る話。クォンツの話なのか、というと、そうではない。 過去にエマニュエル・ダーマンの本を読…

逃北

最近、週末の久保みねヒャダのこじらせナイトが楽しみになっている。 先日放送された久保みね こじらせぶらり旅 2014が、とてつもないインパクトがあり、頭に残っていた状態で、本屋で見つけてしまった。 逃北 能町みねこ。この人面白い。 全日本剣道選手権2…

間違いだらけの物理学

著者は大変有名な人である。 また、本書に出てくる著者と接点のある人たちも豪華絢爛である。 その中でも、興味を引いたのはシュッツとの会話の思い出が語られている点である。 その昔、10年以上前ではあるがe_c_e_tはシュッツ 相対論入門で相対論を学んだ(…

ビジネスに学ぶ カネとヒトの操り方 (アスペクト文庫) [文庫]

様々な職を経験した著者による、実体験に基づく書。 これもまた、すげぇ。。 著者の定める高度なコミュニケーション能力が明快で気に入った 滞った売掛金を笑顔でちぎってくる技術 訴訟を起こさず法的措置をほのめかすことによりトラブルを未然に防ぐ技術 仕…

ぐろぐろ

「ちくま文庫最大のタブーを遠ざけない勇気が貴方にあるか」 というあまりに挑発的なコシマキの煽りにあおられて、買ってしまった。 うわぁ、、すげぇ。 電車内で読んでて、恥ずかしい思いをし、これ、読んでるの絶対人には見られたくないなぁ、と、心の奥底…

国マニア

国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫) [文庫] 近所の本屋で並んでたので、面白そうかと思って買ってみたのだが、物凄い本だった。 国とか、国家というものをまじめに考えたことが無かったのだが、本書を読むと否が応でも考えさせられる。別に日…

エンジニアのための データ可視化[実践]入門 ~D3.jsによるWebの可視化 (Software Design plus)

D3.jsの本だ、と思って買うと、面食らう。 データを可視化するための、イロハが学べると言えば良いのだろうか。 ソースコードにたどり着くまでが、えらく長い。 統計の話、というわけでもないんだよな。「見せ方」についての講義と言えば良いのだろうか。確…

522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史(村瀬秀信 著)

タイトルを見て分かるように、大洋ホエールズと、横浜ベイスターズの本。 最初、買うつもりはなかった。 しかし、佐伯のこの記事を書いた方が著者と知り、買わずにスルーする事ができなくなってしまった。 今にして思うと、98年とは、本当に何だったのだろ…

モンスター(百田尚樹)

先週末、出張先でテレビに百田尚樹氏が出ていたのを、見た。 この番組だ。 http://www.tv-asahi.co.jp/buramayo/ 作品を丁寧に紹介されていて、「美容整形を扱った小説」と「モンスター」が紹介された。 で、興味を持って読んでみた。ら、物凄く面白い。一気…

謎の独立国家 ソマリランド

そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア 読了。 ソマリアの知識は不肖・宮嶋の「海上自衛隊ソマリア沖奮戦記」で仕入れた知識が大きい。野蛮な住民の海賊行為が横行し、周辺を航行する船が拉致されるため、各国の海軍が海賊を取り締まっている。国連…

Team Geek

読んだ。大事な部分を書き出す。 ソフトウェア開発は「チームスポーツ」である。成功の鍵は高機能なチームにある。 コラボレーションの涅槃に到達するにはソーシャルスキルの「三本柱」を身につける必要がある。 謙虚(Huminity)、尊敬(Respect)、信頼(T…

祖父たちの零戦

零戦が、設計されテストされた頃から、終戦、戦後まで、零戦の周囲に居た人たちの群像劇。 真珠湾攻撃から、太平洋戦争が始まって半年ぐらいは最強だった零戦。しかし、終戦に近づくにつれ、アメリカの戦闘機に性能で負けるようになり、明らかに劣勢に立たさ…

かくかくしかじか 2巻(東村アキコ)

師匠と、学生時代の著者とのなんとも痛々しいやり取りの記録。 よく、こういう話が書けるなと、感心する。東村アキコ恐るべし。 1巻と同じく、先生は暴力的に表現しつつ(しかし、実は礼儀正しいキャラクターなのだが)、教え子に対する優しさを表現すると…

ずっと「安月給」の人の思考法

安月給の思考法というのを8つ挙げて解説してくれる、前にそもそも月給とはどういう基準で決まるもので、という解説をしてくれるところに、本書の有り難みがある。 本書が良いと思うのは、マルクスで給与を説明している事だろう。資本家の立場になって労働者…

ガジェット愛が止まらない スパタ斉藤、るかぽん(著)

その昔、PCの自作をやっていたころに、PC-DIYという雑誌を貪るように読んでいた。無知だった俺には、PCにはこういう部品があるのかと、大変勉強になったが(最初の頃だけ)そのPC-DIYに連載されていたのが、るかぽんの漫画である。書店で見つけたとき、思わ…

知の逆転 (NHK出版新書 395)

ジャレド・ダイアモンドのインタビューが読みたくて買ったはずなのに、あまりに豪華なインタビュー陣に驚き、食い入るように読み込んだ。特に興味を惹いたのが、トム・レイトンのアカマイ創業の話。貧乏な数学教授という職業が気に入っていたと言うと謙虚な…

航空機事故に学ぶ 危険学の視点

著者はJALの航空安全に長年携わってきた人らしく、航空業界の話題が多い。そのことが本書の性格を決めている。 これまで起きた航空事故の紹介は大変興味深かった。それぞれの事故を紹介し、その原因を考察、分析をする。その流れで、 「物は壊れないように設…

シャノンの情報理論入門 (ブルーバックス) [新書]高岡 詠子 (著)

上記2冊は「インテリジェンス」としての情報だったが、本書は「インフォメーション」としての情報の本。 なかなか、難しい用語が出てくる。恥ずかしながら、殆ど知らなかったため(断片的に知識はあったがシャノンの情報理論の一部とは知らなかった知識が多…

日本の「情報と外交」 (PHP新書) [新書]孫崎 享 (著)

孫崎氏の本は読んだことがなかったのだが、上記「動乱のインテリジェンス」で佐藤氏が触れているのをみて、読んでみて、大当たり。 著者は外務省で情報畑を歩んだキャリアだったとのこと。著者自身の回顧録として書かれてある。イランイラク戦争、NATOのベオ…

動乱のインテリジェンス (新潮新書) [単行本]佐藤 優 (著), 手嶋 龍一 (著)

両者の対話で進む。話のネタは北のミサイルや、イラン情勢、中国と尖閣諸島の話題など。 特に面白いのは、イランを電撃訪問した鳩山氏の話。次はTPPを次世代の日米安保のようにとらえているところ。手嶋さんが思いのほか饒舌で、この人だけで単著の本を書い…

阪神タイガース暗黒時代再び (宝島社新書) 野村克也著

えらい面白かった。 本書で一番興味を引いたのは平野恵一についての野村監督の評価だろうか。 なるほど、実力があっても使いたくない、と思わせる人間の行動を丁寧に説明してある。 本書では、FA選手をとる今の阪神に厳しい見方をしている。とはいえ、久万オ…

証言 班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?

原子力安全委員会という組織はもう存在しないそうだ。かつて、speediを公開していたWebサイトへ行くと、経済産業省の「旧原子力安全・保安院のホームページは閉鎖いたしました」にリダイレクトされる http://www.meti.go.jp/nisainfo/info.html では、原子力…

父 吉田茂 (新潮文庫) [文庫]

著者は麻生和子。吉田茂の娘で、麻生太郎の母親。 外交官の娘として戦中戦後を随分とリベラルな生き方をされていたようだ。この娘夫妻が支えて(文字通り経済的に支えて)吉田茂が仕事ができていたことがよくわかる。金に無頓着だが、婿殿の麻生の財力でなん…