書評

「普天間」交渉秘録 (新潮文庫) [文庫]

読了。 著者は守屋武昌、防衛省の次官を務めていた、よりも、その後の小池百合子防衛大臣との確執の末に、次官を退任したことと、その後、山田洋行からの便宜供与を受けた、という事件の方が記憶に新しい。 本書では、これらのことについては、殆ど触れられ…

原発アウトロー 青春白書 (ナックルズ選書)

著者は「トラブルなう」の人。ずっと前から買いたかったのだが、たまたま、松山のジュンク堂に立ち寄ったら見つけて買うことができた。 読んでみて、大変な労作だと感じた。 事故の前、彼の地では、なんとなく、とか、先輩に誘われたからという理由で福島第…

Think Simple

本書は、Appleへ出入りしていた広告代理店の話。ではあるが、それ以上の話でもある。信じられないことにAppleではジョブズが広告屋の意見を直接聞いていたらしい。そして、他の社員には先に聴かせない(CEOはこれを喜ぶ、と社員が誤解して余計なフィルタを掛…

CODE コードから見たコンピュータのからくり

著者はCharles Petzoldという有名人。プログラミングWindowsとか書いてる人。 出版されたのは、2003年。9年前らしい。 なぜ、この本を今読んでいるかというと、本屋でPetzoldの新刊を、見かけたのがきっかけ。しかも「チューリングを読む」という読みた…

かくかくしかじか 1巻(東村アキコ)

30を過ぎて、自分の道を進むようになって、初めてわかる師匠のスゴさ、優しさというのがある。 問題は、それを伝えることが一般には難しいということか、同じ道を進んだものは跡を継ぐという形を取ることができるが、違う道を選び、師匠の教えに感謝したい…

サイエンス入門 [単行本] Richard A. Muller

昨年発行された、サイエンス入門 の続編が発行された。前作に続けて、大変すばらしい内容である 光 最初に光のハイテク応用例から入る。ウマいと思う。応用例から入らないと、興味のない人には何のために勉強しているのかよくわからないからだ。 この進め方…

真相開封: 昭和・平成アンタッチャブル事件史 (文春文庫)

江上剛と前書きが面白かった。次いで、江川紹子、森功あたりが読ませる文章になっている。で、それ以外はなんだか、そもそもアンタッチャブル事件なの?という話もある。 芸能事件とか個人的な興味の問題かもしれないが、どうも読み進める気がしないものが多…

世界一流のサッカー監督から学ぶマネジメント [単行本(ソフトカバー)]

今度は野球ではなくサッカー。俺の大好きなジョゼ・モウリーニョの話がてんこ盛り。これ、無理にビジネス書にしなくてもよかったんじゃない?(他にもベンゲルとか、ファーガソンとか色々と出てくる)面白いぞ。この本。 まだ読み終えていないので、感想は後…

プロ野球 歴代監督の「采配力と人間力」 (宝島SUGOI文庫) [文庫]

今度は、監督の話。川上監督と西本監督が大正9年生まれの同期生で、互いに認め合う存在だったという話が一番興味深かった。川上監督、仰木監督ときて、西本監督の話で涙が出そうになる。一節を引用すると 阪急時代の上田利治、近鉄時代の仰木彬。いずれも地…

プロ野球 戦力外通告を受けた男たちの涙 (宝島SUGOI文庫) [文庫]

まず、山粼武司から始まる。スゴい。こんなに暴れん坊だったのか、と、ため息が出るほどに喜怒哀楽のオンパレードが続く。オリックスで暴れて、手のつかない状態だった山崎を拾い上げた楽天と、それを活かした野村監督の手腕に本当に驚く。本書にはデータを…

あの女(オンナ) 岩井志麻子

あの女(オンナ) (文庫ダ・ヴィンチ) 随分と下火になったが、オセロ中島騒動とは何だったのだろう? 今は塩谷瞬か、次から次へと芸能人へ「中島さん」へのコメントを求めて(ムチャ振りにも見えた)誰それがこう言った!というのをニュースにするという、あ…

弱い日本の強い円 佐々木融

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ) [新書] 実は何度かこの本を読むのに挫折した。理由は簡単で、単にe_c_e_tの知識不足でわからない言葉が多かった。わからない言葉を見つけるたびに、webで調べてフンフンと分かった気になって読み進めて(時には戻…

福島第一原発 ―真相と展望 (集英社新書)

著者は奥付を引用すると エンジニアとして全米で原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わり、米エネルギー省の廃炉手引書(初版)の共著者でもある。とある。 これをどこまで信じれば良いのか、わからないが、GEのマークI型への指摘は厳しい。そして、恐らく正…

ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる

マネーボールを読んでから、マイケル・ルイスの他の著作も見てみたいなと思って本屋に入ると売っていたので買った。金融の本とか確かめもせずに買った。 で、感想。面白い。 サブプライム禍の後の、アイスランド、ギリシャ、アイルランド、ドイツ、の状況が…

自分のアタマで考えよう [単行本(ソフトカバー)]

本屋で積まれているのを見て買った。正解だったと思う。 既に知っており、実践していたものもあったが知らない手法もあった。 著者の方が、リバタリアニズムっぽい考え方であることさえ頭に入れていれば、本書は随分とためになることが書いてある。読み方に…

ニッポン地下市場大全 (宝島SUGOI文庫) [文庫]

宝島社もよくもまぁ、手を替え品を替え似たような本をと、感心するがこちらは震災後に被災地で発生した商品について注目した本。「こんなものもありましたよ」と面白おかしく紹介しているものの中に看過できないものが多く、笑いどころに困る(笑えない)。…

震災ビジネスの闇 (宝島SUGOI文庫) [文庫]

再び、夏原武氏の著作、これは震災後の被災地で発生した詐欺行為について、入念に書かれてある。非日常が発生し、それまで信じていた生活基盤が揺らいでしまうと、いかに人の判断力が低下し、良からぬ人間に金を支払ってしまうのか、その1点に集中して書い…

誰も書けなかった日本のタブー2 (別冊宝島) (別冊宝島 1833 ノンフィクション)

夏原武氏の文章が読みたくて、買ったが、実際にはそれ以外の所が面白かった。(本書は複数のジャーナリストの署名付きの記事集という形)彼(夏原氏)の文章も充分楽しめたが。特に面白かった話をいかに列挙する 巻頭特別座談会 田中森一との共著というか対…

悪の境界線―犯罪ボーダレス社会の歩き方 (文庫ぎんが堂) [文庫]

本書の話は2つに別れる、著者が実際にアウトローな人と接した記録と、著者が「こうらしいよ」と取材した記録。前者は面白い。後者はうわさ話を、取材してみましたが結論はどうやらこうらしい、という感じで、うわさ話に毛が生えた程度で、自分が大学生ぐら…

7つの言語 7つの世界

Rubyはすぐ読み終えた。Ioで、一旦進みが悪くなった。なんだか面白いぞ。このIoって言語。 帰って処理系をインストールするか。 2/7でこの状態、恐ろしく中身が濃い良書。 いま、検索したらこの本、JoltAward受賞だったみたい。

富士山大噴火! 不気味な5つの兆候

本屋でちらっと立ち読みして、買ってみた。 で、帰って読んでみて、ちょっと評価が悩ましい。今回の東北の地震が貞観地震との類似性があるというのは納得ができる。全開の貞観地震の後は富士山が噴火したのだそうだ。地震予知は難しいが、噴火は予測が可能、…

プログラマのための文字コード技術入門 (WEB+DB PRESS plus)

去年読んだはずなのに、ほとんどのことを忘れてて(実はちゃんと読めてなかったか)今読むと新たな発見があって、まぁ、楽しい。 現実の仕事では、半角カナやら、WAVE-DASHやらを面倒を見る必要があって、cp932やら、JIS2004(JIS X 0213)を、疎ましい目で見…

日本野球25人 私のベストゲーム

帰省の帰り道、岡山駅近くの地下で購入。面白くて、横浜までの新幹線で全部読んでしまった。 実は結構前(単行本が文藝春秋から出版されたのは2006年)の本。 しかし、古さなど気にならない、あまりにもシブい。シブ過ぎるチョイスにナンバー編集部に感…

北方領土交渉秘録―失われた五度の機会―(新潮文庫)東郷和彦著

文庫化されていたのを発見して買ってきた。 「日本は北方領土を取り返すために何をしてきたのか」 この問は、一連の佐藤優の書籍を読むとだいたいの流れをつかむことができる。少なくとも小泉政権の早期までは『本気で取り返すために動いていた人たちがいた…

トラブルなう (ナックルズ選書)久田将義 著

物凄い書物。「はじめに」で信じられないような金言が飛び出す。 はじめに 編集者とは、恫喝、脅迫、恐喝、暴力、拉致、などに耐えうる者のことであるえ?編集ってそんなに大変な仕事なの?と思ったらもう、この著者の土俵に載せられている。もう此処から先…

不都合な真実

不都合な真実 京都会議の意味、環境問題を知るにはとてもよい本。非常に勉強になった。 特に温暖化効果ガスについての解説は詳しく、わかりやすい。 この手の情報は小難しいデータを小難しい言葉で語るよりは、 (わかる人相手にのみするやり方では問題意識…