ニッポン地下市場大全 (宝島SUGOI文庫) [文庫]

宝島社もよくもまぁ、手を替え品を替え似たような本をと、感心するがこちらは震災後に被災地で発生した商品について注目した本。「こんなものもありましたよ」と面白おかしく紹介しているものの中に看過できないものが多く、笑いどころに困る(笑えない)。先ほどの震災ビジネスの闇と重複する話も多いが如何に被災者は危険な状況に置かれたのかよくわかる。通常の生活では予測できないものに(俺が物知らずだったのか?)値付けされ売られているらしい。
震災以外の話では、隠しカメラだとか、中国ケータイだとか、オラオラ系ファッションだとか、イモビカッターだとか(さすがに中国製ケータイについては知っていたが)なかなか知ることのできない商品の話が書かれている。
で、本書を読んで感じたのは、この手の人達は、政府が俺たちの取り分を邪魔をすると感じている点と、政府を無視して市場を作り出す能力があることなど、政府が市場へ及ぶ力が小さいことを望んでいる人達(つまり、リバタリアン)だと見ることもできる。リバタリアニズムの赴くままに市場原理に任せるとこの国の人達はこういうモノに値をつけるのか、と、考えさせられる部分もある。