福島第一原発 ―真相と展望 (集英社新書)

著者は奥付を引用すると

エンジニアとして全米で原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わり、米エネルギー省の廃炉手引書(初版)の共著者でもある。

とある。
これをどこまで信じれば良いのか、わからないが、GEのマークI型への指摘は厳しい。そして、恐らく正しいのだろう。そう思わせる説得力がある。


今、検索すると、著者の方は日本語でも情報公開をしていたようだ。
http://www.fairewinds.com/ja/fukushima


本書の素晴らしい点は、アメリカ人専門家(日本人ではない点、GEに近い位置にいる人)が、指摘しているということだろう。プログラムのレビューと同じで、主観(自国)ではなく、客観性を持つ別の人が指摘したほうがいい。
SI業界の人間が見て、痛いなと、思うのは、マークIは原寸大の試験を行なっていないんだそうな。「理論と小規模な実験のみ」で作ったそうな。それってつまり、障害系の試験やってないってことなんだよな。。危機管理は無理だと、思う。よくもまぁ、そんなもん売りつけやがったな。と、言われるシロモノだろう(と、今では思うが、作られた70年代の空気を読まずに描いてみた)


規制機関として模範としようとしているNRCの現実も知ることができる。まぁ政府機関ってそういうもんだよな、と思ってしまったが、日本は規制機関を今から作ろうと(?)している分、希望はあるかも知れない。