国マニア

国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫) [文庫]
近所の本屋で並んでたので、面白そうかと思って買ってみたのだが、物凄い本だった。
国とか、国家というものをまじめに考えたことが無かったのだが、本書を読むと否が応でも考えさせられる。別に日本のあり方に文句がある訳ではないよ。
本書が取り上げるのは小国ばかり、国家の定義がギリギリのラインを攻めていく。領土が無い「マルタ騎士団」とか、その存在に驚くような情報は本書ならではであろう。
何より驚いたのが、ソマリランドの紹介だ。本書では、ソマリランドが平和的な話し合いにより、政権移行を行う模範的国家(どこにも承認されていない国家ではあるが)であることを紹介している。これは、謎の独立国家 ソマリランドが、出版されるよりも先である。やっぱり、注目している人は事実が見えていたのか、と、感心する。
それ以外にも、クリミアについての記事は、今が旬なせいか、報道で不足しがちな歴史的な経緯が触れられていて、勉強になった。周辺国には、まだ、ソ蓮時代からの色濃い影響が残っているようだ。