ずっと「安月給」の人の思考法

安月給の思考法というのを8つ挙げて解説してくれる、前にそもそも月給とはどういう基準で決まるもので、という解説をしてくれるところに、本書の有り難みがある。
本書が良いと思うのは、マルクスで給与を説明している事だろう。資本家の立場になって労働者に人件費を払う、という視点から考えると色々と給与の本質が見えてくる。当然の事なんだけど、人件費は安く抑えたい。
この事を押さえておけば、本書で言う

「年功序列は悪!」と考えている
「生産性が上がれば、給料も上がる」と期待している
「チャンスはいつまでもある」と思っている
就業規則を読んだことがない
「会社の経費で落ちるか」をいつも気にしている
「人は見かけが9割」を理解していない。

これらも納得が行くのではないだろうか、特に面白いと思ったのは「できる人とダメな人の給料の差はわずか3万円」の項だった。
これは盲点だったというか、当然と言えば当然なんだけど、働いてもらうためには競争意欲を煽る必要がある。自分が損しない程度で。
その痛まない程度の出費が「3万円」の賃金の勾配なんだろう。


氷河期に就職したころ「常に今の給与がMAXの可能性がある」と思っていたフシもあるので、そういう緊張感を思い出しました。


読んでいて、ナルホドと思える部分は多いが、さて、どうしよう。
知ったところで、「頑張っても3万円程度しか増える見込みがない」給料をもらって満足できるか。そう考えると暗い気持ちになる。
ここは喜んで3万円を取りにいく方法を考えよう。チャンスはそう何度もないんだから。