菅引退を知る

菅がついに辞めるらしい。
昨日、帰りのタクシーの中で運ちゃんに聞いた。
運ちゃんいわく「最近は政治家が人材不足だねぇ、次の代表選に出てる人たちもぱっとしないねぇ」とのこと。


たしかにその通りとは思うが、これは、つまりは、1年で首相を使い捨てていった結果なんだろうな、と。昔みたいに2年ぐらいの在任期間があれば、拮抗する勢力だってその時間を使って育つことができる。条件付き賛成、とかもっともらしいことを言いながら、譲歩と交渉のトレーニングを積むことができる。だから、首相になりたい人の待ち行列がそれなりのメンツで並ぶ。
今は、その待ち行列をほぼ使い果たしたような状態で、メンツを見ると、どうせ、次は菅より酷いよ。と思う。


不人気を自覚していた菅は「これが成立してくれたら俺は辞めるから」と、議員の鼻先に人参をぶら下げた。ら、前に進んだ。反抗期の中学生みたいな展開だ。
俺は菅はアホだと思ってたし、今でも過去に彼がやってきたこと(特に外交的には全部ダメ)を肯定的には全く捉えられないんだが、ねじれ国会という構造的な問題を抱えていたのだから「菅」憎しの御旗でもまとまってくれるならいいことだ。今のこのモチベーションを失うことになるのは惜しい。次の候補者が譲歩や交渉を身につけてこのモチベーションに戻すまでどれぐらいの時間がかかるだろうか。


次の人がどんなにキライであっても、全力で支持し続ける度量が求められている。議員さんも国民も。
ミッテラン大統領に愛人がいても、政治能力には無関係と10年以上支持し続けたフランスを思い出した。


菅首相退陣へ─最後に挙げた成果(WSJ)