マイクロソフトの顧客

常に勝利を収めてきたマイクロソフトの顧客
変化を拒否する客に優しいMicrosoftという話で、妙に納得できる話だと思った。
id:e_c_e_t:20090915 で書いた「ヌルいユーザに優しいMicrosoftが帰ってきた。これは喜ばしいことだ。」というのと似た話。


特に、Surfacewindows8を失敗扱いしているくだりが、面白い。
appleの「apple的な成功」を見て、「なぜmicrosoftには同じことができないのか」と、メディアやアナリストは言った。
microsoftは頑張って、タブレットタブレット用OS(windows8)を作った。新しい専用インターフェース(Metro)も作った。
各PCベンダーは、windows8搭載のPCを売る際に「windows7へのダウングレード権」を付けて売った。「今が明日以降も続いて欲しい」と願う客はWindows7を買ってしまう。
せっかく作った、Windows8がこのままではまずいと思った(かどうかは定かではないが)Microsoftはベンダーは当てにならんと、Microsoftが自前でハードウェアとセットでwindows8を売る戦略に出た、、そうして出てきたSurfaceの結果は、まぁ、かんばしくなさそうだ。
だって、顧客は「新しいOS」を求めていると口では言うものの、買うのは古いOSだ(windows7へのダウングレード権が商売になるってそういうことだ)。


面白いと思ったのは、MLBボンズへのアナロジーを感じたからだ。
90年代にMLBステロイドがじゃんじゃん使われていた頃、サミーソーサや、マグワイヤが派手なホームラン競争をしていた。
その頃、ホームラン40本、40盗塁(30本、30盗塁を90年代だけで5回も記録している)という記録を作っていたバリー・ボンズにはあまり注目が集まらなかった、むしろ、「なんで、ボンズはソーサやマグワイヤみたいに打てないのかねぇ」というマスコミからの声の方が多かった。
リクエストに答えたかのように、ボンズはホームランを打ちまくった、ら、「お前はステロイド使ってるからダメだろ」と厳しい(?)仕打ちが待っていた。まぁ、本人の不遜な態度もあったとの報道もあるが本人がマスコミ関係者の前で言ったという

「死んでからでないと認めてもらえないのか」と涙を流したこともあったという。

という話を聞くと、考え込んでしまう。


世間の声を聞くと大変な目に遭う、と言う構図は業界を問わないんだな、と。妙に感心した。マスマーケティングって難しい。
それよりも、メディアだとかアナリストの声を真に受けるのがいかに危険ってことか、まぁ人気者には人気者にしかわからない苦労があることが、この逸話からわかる。


id:e_c_e_t:20091006 こういうのもあった。