海賊と呼ばれた男(下巻)読了

本編も、巻末の堺屋太一の解説も含めて完璧だと思える内容。なにより、イランの歴史が学べるところが良い。


2012年に、イランの選挙にて、アハマディネジャド大統領がギリギリ再選できたときは、CIAが暗躍し、親米政権とは言わないまでもアメリカと会話ができる政権を樹立させたとの報道もあった。現代でもアメリカからのイランへの干渉は多い。そもそも会話が成り立っていないので、日本が橋渡しをしたこともあるようだ
なんだか、好きな子に直接話せないので代わりに友達に頼むような、そういう展開がイランとアメリカと日本の間にはある。(ラブレターの代わりにstuxnetを送るところを屈折した愛情表現とは思えないけど)
なぜこうなっているのか、その歴史的な経緯の一部が本書には書いてある。


全く同じ時代に、アラビア石油の山下太郎も生きており、愛国心の強いオイル野郎達(というよりは、敗戦に学んだ人たち)がいた時代に学ぶことは多い。


なにより、銀行の役割について大きく考えさせられた。
出光の場合は何度もピンチを銀行に救ってもらっている。