国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新

http://honz.jp/articles/-/43204
honzのこの記事を見て買って大正解。面白いと言っていいのか?わからないが、面白い。
読ませる文章が上手い、緊迫感の伝わる文章が自然と書けるのは著者の日常がそうだからなのか?
「特殊部隊」がなぜ必要なのか、どういう人が向くのかを本書を通して読むうちに、いつのまにか、自分の所属する会社組織の例で考えていた。
興味を惹いた一節は、「米軍の強さと、特殊部隊の弱さ」の説明で、少しだけ引用させてもらう

米軍の特徴は、兵員の業務を分割し、個人の負担を小さくしてそれをシステマチックに動かすことで、強大な力を作り出す仕組みにある。それは、個人の能力に頼っていないので、交代要員をいくらでも量産できるシステムでもある。さらに、個人の負担が少ないので持久力がある。
これが米軍が最強でありえる大きな理由だ。要は、そこらにいるゴロツキ連中をかき集めてきて、短期間に少しだけ教育し、簡易な業務を確実に実施させて組織として力を発揮するのである。そして、その組織で確実に勝てるよう、戦争をプログラムして行く。
<i>「特殊部隊」創設者の思想と行動 伊藤祐靖</i>より引用

同じような例は、米軍に限らず至る所にある。「教育して身につけてくれるなら誰でも良い」という発想で、これに徒弟制度の少数精鋭で立ち向かおうとすると、一時的、瞬間的には勝てるかもしれないが、全体として平均としては負ける。
マネジメントの発想がアメリカから生まれたのがこういうところからも納得できる。