元阪急、近鉄監督の西本幸雄氏が死去

あまりにショックで、言葉が無くなった。大好きな監督だったので、id:e_c_e_t:20110818 とか、 id:e_c_e_t:20110712 とか、何度もインタビュー記事を読み、ここに書いている。
最初に西本幸雄監督を知ったのはプロ野球ニュースの解説者だった頃だと思う。福井アナが出てた頃だから、もう10年以上前か。福井アナの半分暴言に近い毒舌(この人の持ち味)によく反応していたのを思い出す、横で不安そうに見ている関テレの梅田アナの顔も印象に残っている。その解説は、優しさと苦言に富んでおり、また勝負の分岐点を語ることが多かったように思う。優しさのみのジュンゾーや、巨人ばかりの別所さんとは比較にならない技術論を語る。その解説者、西本幸雄が、近鉄、阪急で「オッサンだらけのチーム」を率いて優勝しまくっていたことを知ったのは後の話。そう、大好きな監督、ではあるが、俺は彼の現役時代、監督時代のことを直接は知らない。知っていることは、全てインタビューで読んだ後の話か、フジの解説だ。後年、驚いたのは、あの福本豊が、自著でジッチャンと呼び慕う姿だ。幾つかの本を読んで、西本「監督」の育成技術にほれぼれとするほど感心した。弱小球団を引き受け、選手を育て、チームを強くする。その過程で確実に「オッサン選手」がベンチに並び、勝つ。そこには信念があり、有能な選手を見出す眼力をも兼ね備えている。オールスターで落合を4番に据える話など、その眼力で「初めに見た時、将来のパ・リーグを背負う存在になると思った」とその後の活躍を予言するかのような神がかった発言をする。更には伝説の投手、嶋清一との対戦経験まであるという。
日本シリーズで勝てなかったことなど、彼を語るエピソードの中では大したことではないかのように感じる。それほどまでにスケールの大きい人物であった。これが、あの解説の好々爺の真の姿か、と、蒙を啓かれた思いを何度も経験した。
彼自身は多くのインタビューで自分を「悲運」とは思っていないと言っている。8回も優勝できて自身を幸せだと言っている。
あの飄々として、少し苦言混じりの関西弁の解説はもう聞けなくなってしまった。残念。冥福を祈ります。


11/27追記
どこかマニエルにコメント取ってないかな。現役のフィリーズの監督だって、かつては西本監督をボスと呼んでいたんだ。
11/29追記
「父のように尊敬」とマニエル氏=西本さん死去で談話
談話でてました。

「彼のためにプレーするのは楽しかった。父のように尊敬していた」

梨田(日本一経験者)、上田(日本一経験者)、山田(中日監督経験者)、福本(オリックス二軍監督経験者)、が葬儀に参列したとのこと。数多くの大物を育成し、慕われた、その偉業を改めて讃えたい。