横浜・中村紀、40歳でもフルスイングの理由

メンタリティの持ち方として、大変興味深かった。
スタメンを外れ、筒香が起用されたときもポジティブ

「球団が決めたことだから、こっちから『なんで出してくれないんですか?』と言う必要はない。それで勝てると思って出しているのだろうから、それでいいんです。でも、出る準備はしておかなあかん。自分がレギュラーを取るためには、どうすればいいかを考えるしかない」

打率3割についてもポジティブ

「どの仕事もそうだけど、『成功する』と思っても、失敗するときもあるでしょ? 『野球は7回失敗するスポーツ』だと割り切ってやれるか、どうか。僕は『7回も失敗するんだ』と思って、『3回打てたらいい』という感覚。『成功しなくちゃいけない』ではなく、『成功できればいいな』という感覚でできれば、楽しめるんじゃないかな。3回を楽しむか、7回の失敗に尾を引くか。そこで人間の価値は変わってくると思う」

不安に向かう姿勢

「打席の中では、もちろん相手がありますから、打てないんじゃないかなと不安が沸いてくることもあります。でも、それを表に出したらダメ。じゃあ、どうするかといったら、やっぱり振ってその不安を振り払っていくしかない。だからいつも初球からガンガン振るつもりで打席に入っています。そういう姿勢で立てば、凡打になっても次の打席で生かされる」

故障についてもポジティブ

「バットを振り込んだからこそ手首が悲鳴を上げて、ポキッと折れた。逆に、『勲章やな』と思いましたね。糧になると感じましたよ。負傷を通過して、生き残れるか、生き残れないかを判断されたのでしょう。かろうじて、生き残れました(笑)」

シンプルに集中できる、いかなる状況に追い込まれても自分をポジティブへコントロールできる、これがベテランの技術か。