JavaをめぐるOracleとGoogleの裁判


Oracle wins copyright ruling against Google over Android(ロイター)

JavaをめぐるOracleとGoogleの裁判、2審はOracleの著作権を認める
もう一度、整理しよう。
Androidは開発言語として、javaが使用できるが(というか事実上それしか選択肢が無いのだが)実行環境として、javaVMではなく、Dalvikという独自のVMを使用したプラットフォームになっている。
java(言語とライブラリ)と、javaVM(実行環境)は、Sun(今はOracle)が元々作ったもので、オリジナルの著作権の帰属先はSun(今はOracle)である。
javaは、cや、c++,sqlのようにISOで標準化された言語ではなく、一企業(Oracle)が制御する委員会(JCP)により仕様が決められている。
さて、Androidが使っているJava言語(厳密には、ライブラリ)は、Oraclejava標準ライブラリの著作権を侵害しているのだろうか。(あるいは、JCPの?著作権?、いや、結局Oracleが訴えているのだから、JCPでは少なくとも、主役ではないだろう)
とにかく、訴えでは、Oracle著作権侵害で、10億ドル($1billion)を要求していて、Android陣営(Google)は、フェアユースを唱えていた。
今回の判決は、37のAPIについては、Oracle著作権を認める、ということになる。(10億払う流れにはなっていない)


素直に、javaとjavaVMをセットでライセンスしてAndroid上で使えば恐らくこういう裁判も起こらなかったのだと思うが(MSとSunの裁判でもう、みんな知っていたはずなのに)、流用したところに問題がある。まぁ、知ってて万引きしたけど、Androidはそれなりの基幹産業に成長したから、今更この業界をつぶす気はないでしょ。潰れて減る税収と天秤にかけようぜ(と、googleは言いたいのかもしれない、いかにもアメリカ的な話ではある)


「標準ライブラリを違う環境にコピーする」と著作権に抵触するという、ある意味では当然かもしれないが、改めて確認されると、重い判決だと思う。
制作者に黙って、移植作業をすると、著作権に抵触する可能性が示された。
国内の著作権法に基づく解釈ではないので、注意が必要だが移植には「(著作権的な)コストが存在する可能性がある」と、認めたのと同義か。


これは、衰退しつつあるIT産業への福音か、あるいは、自壊の始まりなのか。
gcjとか、openJDKとか、すげぇ気になるんだが。